
キャンバス(作品の布)自体は、先生が相生市のアトリエで修復をされました。
奄美大島では保護センターの近くの公民館を、作業場としてお借りしました。
アトリエから奄美大島へはキャンバスを一枚一枚、不織布で保護し直径25cmの
筒に巻いて厳重に梱包して輸送されました。
それでも、とても繊細なパステル作品は、輸送時の衝撃で影響を受けます。
先生ご自身でパネル板にキャンバスを仮留めし、絵の繋がりを確認しながら
細部の修復作業を行われました。

ここから、パネル板にキャンバスを張り込む作業になります。
とても特殊なキャンバスは、上下方向に強いテンションをかける必要が有ります。
その為に、特別に製作したキャンバスを挟む金具を取付けます。

キャンバスを挟んだ金具に緊張器を取付け、キャンバスを引張ります。

一枚一枚のキャンバスにテンションをかけ、また全体の絵の繋がりを
考え位置調整を行いました。
キャンバスの収縮具合を見る為、一晩中この状態でテンションをかけ続けます。

キャンバスの緩みなどの問題が無かった為、緑の釘で仮留めし
上下にアルミフラットバーでキャンバスを固定します。
アルミフラットバーは、真鍮製の釘で取付けます。

キャンバスの縦は、黒色の真鍮製の釘で固定します。
キャンバスを傷めないよう、樹脂製の金槌で打ち込みます。
パネル左に、5cmピッチの釘が見えます。

パネル下部に、化粧用の黒色アルミフラットバーを取付けます。
縦に打った釘にも、キャンバスに合わせた塗料を塗り、釘も見えなく成っています。
これでキャンバスの張り込み作業は終了となります。