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Author:表具職人
表具・表装(掛軸・修理・修復)を行っています。大阪市の表具店、春榮堂の三代目です。
表具師の仕事が少しでもお伝え出来れば幸いです。

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国の登録有形文化財 旧木下家住宅 書院天井の修復 その1

この度、旧木下家住宅の書院天井の修復を行わさせて頂きました。
旧木下家住宅とは平成13年12月に国の登録有形文化財に登録されました
数寄屋造近代和風住宅です。

①旧木下家住宅 修正元画像  サイズ小

向かって建物左側が、書院に成ります。

②旧木下家住宅修正元画像

この書院の天井には、和紙が張って有ります。

③旧木下家住宅 修正元画像

この和紙が、裂けて傷んでいる為、修復作業を行う事に成りました。
作業自体は終わっておりますので、完成までを順次ご紹介する予定です。

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国の登録有形文化財 旧木下家住宅 書院天井の修復 その2

旧木下家住宅書院天井の修復です。
作業前の状態です。所々に裂け目が出来ています。

③旧木下家住宅 修正元画像

天井の形が、L字に成っています。
角の部分に複数の裂け目が有ります。

④

L字の小袖部分にも複数の裂け目が有ります。

⑤

上張り紙(天井に張ってある紙)の裂けている部分から竹ベラを差し込み、
上張り紙を剥がしていきます。

国の登録有形文化財 旧木下家住宅 書院天井の修復 その3

旧木下家住宅書院天井の修復です。
天井から上張り紙(天井に張ってある紙)を剥がして、工房での作業に成ります。

⑥

やはり小袖の部分は、完全に分離しています。

⑦

天井紙は元々は、白地紙に雲母の揉み紙だったと思われます。
揉み紙の損傷は激しく、裂け目と欠損が多数見受けられます。
ぐるり2cmは漆喰の天井に直接付いていますが、残り部分は浮いています。
浮いている部分は、特に湿気や空気を呼吸します。
ですので全体的に昭和16年に竣工してから今までの時代の色が付いています。

⑧

上張り紙(天井に張ってある紙)の裏面です。
A4コピー用紙サイズの、浮け紙が格子状に張り付いています。
この浮け紙により、何とか形状を維持出来ていた様です。
※浮け張り・浮け紙【壁や天井部に、薄い手漉き和紙の四方のみに糊を付け張る事】

⑨

所々浮け紙が、上張り紙から剥がれてきています。

⑩

全体に水お与えて、浮け紙を剥がしていきます。
糊の効いている部分は無理に剥がさず、上張り紙に負担が掛からない様にします。


国の登録有形文化財 旧木下家住宅 書院天井の修復 その4

旧木下家住宅書院天井の修復です。
上張り紙(天井に張ってある紙)の修復です。

⑪

多数の裂け目に、折れ伏せ(裂け目や折れ目を補強する和紙)を入れます。

⑫

紙に裂け目が有る為、時代色の和紙を折れ伏せにしています。

⑬

全体に時代色の和紙を、裏打ちします。

⑭

上張り紙に強度を持たせる為、もう一枚裏打ちします。
濡れていた見えづらいですが、白色の和紙を裏打ちしています。

⑮
 
上張り紙を表に向け、外側の耳の部分に糊を着けます。
仮貼りに張り込み、乾燥させます。

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