旧木下家住宅書院天井の修復です。
天井から上張り紙(天井に張ってある紙)を剥がして、工房での作業に成ります。

やはり小袖の部分は、完全に分離しています。

天井紙は元々は、白地紙に雲母の揉み紙だったと思われます。
揉み紙の損傷は激しく、裂け目と欠損が多数見受けられます。
ぐるり2cmは漆喰の天井に直接付いていますが、残り部分は浮いています。
浮いている部分は、特に湿気や空気を呼吸します。
ですので全体的に昭和16年に竣工してから今までの時代の色が付いています。

上張り紙(天井に張ってある紙)の裏面です。
A4コピー用紙サイズの、浮け紙が格子状に張り付いています。
この浮け紙により、何とか形状を維持出来ていた様です。
※浮け張り・浮け紙【壁や天井部に、薄い手漉き和紙の四方のみに糊を付け張る事】

所々浮け紙が、上張り紙から剥がれてきています。

全体に水お与えて、浮け紙を剥がしていきます。
糊の効いている部分は無理に剥がさず、上張り紙に負担が掛からない様にします。